いま世界でもっともホットで物騒な国イラク。ここで発生した日本人誘拐事件のおかげで、外務省がサマワ在住の邦人保護のため邦人保護法第100条第何項かを適用し、図らずも宿営地に寝泊まりできるようになった不肖宮嶋であった。
ところがどっこい私が宿営地内で泊まれるどころか、めしもふろまでただでくれるのは報道陣の一員としてではなく、避難民として収容されたからであった。当然物騒な土地から着の身着のまま、それでもしっかりかめらだけは担いで収容されたからには取材なんぞ認められるわけがない。とゆうことでこれらの写真の一部は報道写真ではなく、こんな不肖宮嶋でも心配してくださる方々のための近況報告のためである。
それにしても物騒なシャバと隔絶された世界であった。なんちゅうても番匠群長が全力を尽くして我々の安全を証すると約束してくださったのである。カンボジアやゴマと違い、盗人どころかテロリストだろうが猫の子一匹入りようがないのもこれ24時間体制でこの周囲に目を光らせている警備中隊のおかげであった。
それにもまして同じ同胞しかも550人の武装戦闘集団に囲まれて、不肖宮嶋この国にきて初めて枕を高くして眠ることができたのであった。それでも空の上から降ってくる迫撃砲弾だけは防ぎようがないが、それも鉄製のコンテナハウスに収まれば、破片ぐらいなら十分防げるのであった。どうせ自爆テロと違って、遠くからやくざのカチコミみたいに、ちょこっとぶっ放して逃げて着弾観測もできないのである。
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