半世紀にも及ぶ模型人生で初めてである。帝国陸軍の乗用車を製作したのは。しかも「くろがね四起」である。下士官であろう運転手に軍刀携えた将校のフィギュアー付きである。しかしそこはタミヤらしく精密かつ、かみ合わせも良く、アッという間…でもなかったか、できあがった。特にフィギュアーの2人の軍人の階級章や帽章までモールドがなされていたので、きっちり赤く塗り分けた。ほんまは将校は黄色い線が階級章に入っているはずやが、そこまではシロートのワシには無理やった。くろがね四起といえば、現首相、石破茂内閣総理大臣が2018年防衛大臣やったころやろか、御殿場で正確に復元されたころがね四起に試乗しており、そのいきさつは週刊新潮の白黒グラビアでも紹介されたのを、ワシも記憶に残っている。撮影は新潮の福田正紀カメラマン、現在と比べても「小型」のくろがね四起の助手席からはみ出さんばかりの石破大臣が蔓延の笑みやった。そのいきさつは御殿場に開設予定の防衛博物館がらみで、地元静岡の基幹産業スズキ自動車のベストセラーカー「ジムニー」のチューンアップなどを手がける「カマド」が実際自走できるくろがね四起を作り上げたと聞いている。そこには毎年富士の裾野で繰り広げられる富士総合火力演習、略して総火演の取材の帰り際…というては失礼やが、寄らしてもらっていたが、期間限定で4号戦車やスカイクリーナーが展示されてたりした。さすがに戦車は自走できんかったが、そのくろがね四起はしっかり自走してた。たとえ動かなくても兵庫県加西市の鶉野飛行場跡の1/1の「紫電改」や「九九式艦爆」の模型…というにはあまりによくできた機体を作り上げるのは大変なノウハウを要するのは言うまでもない。まあくろがね四起は空飛ぶわけやないし、武器も搭載してないから、自走のハードルはそないにたかくなかったのであろう。プラモはもっと簡単やし。製作はほぼ取説通りの素組でした。
製作日数2週間
copyright S. Miyajima