北海道の新聞社のお招きで、室蘭の製鐵所の研修に参加させていただいた際、帰り際に研修参加記念としていただいた。めったに入れぬ巨大製鐵所の内部を半日かけて見せていただいた。溶鉱炉はまさに極寒の北海道の雪をも溶かさんばかり、の熱気に包まれ、近代的かつ安全に配慮しまくった現場であったが、製鐵所内にはなんと新日鐵社員でもある刀鍛冶がいて、鍛錬所も工場敷地内にある。これは日本刀の伝統的製作過程技術が近代的製鉄工法に応用できんかという発想からやという。刀匠や玉鋼を作る村下らとは浅からぬ関係があるワシとしては非情に興味深い。それにこのフィギュアとて単に製鉄所が気まぐれで作ってるもんやないで。ボルトとナット、ねじくぎだけで、こないにリアルなカメラマンを表現できるんは製鉄技術のみならず、そうとうな絵心も必要や。こないな柔軟な発想も文字通りお堅い製鉄業界にも必要なんやろ。
またここ室蘭製鉄所でも時節の挨拶は「ご安全に」であり、研修の前も「ご安全に」ではじまり、最後も「ご安全に」で締められた。さいごに地元紙の室蘭支社長には講演にお招きくださったうえ、こないな貴重な研修にも参加させていただいたり、感謝に絶えない。
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