スタジオ・ジブリの長編アニメに登場したキャラクターは「ルパン3世 カリオストロの城」にでてきたオートジャイロ以来のモデルであるが、こちらの主人公の「二郎」とはゼロ戦を設計した堀越二郎氏という実在した人物。飛行機の設計技師になることを夢見ていた堀越少年の夢の中にでてくる鳥型飛行機である。当然少年のからだの上半身がとびでるこの機体の大きさからしてかなりの小型であるし、いくら小型とはいえ空を飛ぶ乗り物やから相当な速度が出るはず。それで風防モゴーグルもなしやからさぞかし風当たり強かったであろう…がまあ空想の…といってもあの堀越技師の空想である。きっと設計図も残っていたかもしれん、ワシも宮崎駿作品は好きで、この「風立ちぬ」も観たが、エンターテイメント性は抜きで、かなり難解な作品であり、見え見えの反戦メッセージというわけでもなく、どっちかというとファミリー物語のイメージであった。このモデルの取説巻頭にその映画のなかの堀越少年のセリフがある。「飛行機は美しい夢だとその方は言いました」とあるとおり、、その方とは、映画をご覧になった方ならご存じの通り、イタリア人技師の「カプローニ」のことである。カプローニも実在の人物やが、実際堀越技師と映画のような憧れや交際があったかどうかはさだかやはないが、同じく宮崎監督の「紅の豚」でも、イタリアのアドリア海が舞台、主人公の「ポルコ」もイタリア空軍の元エースという設定でイタリアの航空業界とはよほど縁が深かったのであろう。ただ紅の豚はわしも愛読している「モデルグラフィックス」に掲載されていた、これまた宮崎監督自身が「モデルグラフィックス」に寄稿されたコミックが原作という。まあ精密さには定評のある「ファインモールド社」のモデルやが、このモデルは白い機体と赤い尾翼と青いコックピット周りなどは最初から着色されていたが、あまりにもプラスチックプラスチックしてたので、筆塗りで塗り直した。また堀越少年のフィギュアーの塗装には手こずり、というかワシに絵心がないばかりに似ても似つかぬ表情になってしもうた。
製作日数 2週間
copyright S. Miyajima