これで200円足らずのコーヒーの「おまけ」とは驚きである。と思うたら早速インターネットのオークションで売られてるやん!まあそれだけコスパ良すぎるクオリティである。それもそのはずミリタリー雑誌の老舗「航空ファン」の監修、タイアップである。航空ファンの名に賭けてちんけなモデルはたとえ缶コーヒーのおまけといえども手を抜くわけにいかんかったのであろう。この「最速の翼」も8種類あったがこのF-117もこれでも5分割され、精巧そのもの。このUCC、関西では知らぬもんはもぐりと言われるほど缶コーヒーでは有名な会社。正式には上島珈琲株式会社、略してUCC,関西には他にはサンガリア・コーヒーもあり、関西での缶コーヒーの2大巨頭である。そのサンガリアもワシがガキの頃は阪神タイガースの選手をバンバンCMに出演させたかと思うと、「国破れてサンガリア」のようなコミカルなキャッチコピーで目を引いていた。さてこの独特のステルス・シルエットのF-117だが、こっちはマジな思い出がある。1990年代のコソボ紛争でワシがベオグラード滞在中に新ユーゴスラビア軍(当時)の農村の青年により撃墜されてしまい、そのトップ・シークレットの機体が新ユーゴ軍により徹底的に調べられたあげくバラバラにされ、ベオグラードで空爆下開催されたマラソン大会の賞品にされてしもうたのである。新ユーゴを形成していたセルビア人(当時)もよっぽどうれしかったのかその農村の青年をヒーロー扱い、テレビに出まくったり、市民は「sorry. it's visible」(ごめんなさい、見えちゃった)というメッセージとともにF-117の写真が描かれたTシャツが売り出され、大ヒットしていた。当然「invisible fighter」(見えない、つまりレーダーに写らない戦闘機)のはずがあっさり見えちゃって、撃墜しちゃった。と憎きNATO軍、特に空爆の中心となった米軍を揶揄したものであった。ちなみに撃墜されたF-117のパイロットだが、これがまあ驚きである。直ちにアドリア海に待機していた空母から海兵隊特殊部隊がヘリで飛来し、撃墜寸前から脱出していたパイロットを発見、地上から新ユーゴ軍が駆けつけるまえに脱出、空母まで戻っている。こんなギャランティがあるから米軍は強いのであろう。
copyright S. Miyajima