月刊「正論」 8月号 

月刊「正論」 8月号
発行 産経新聞社
定価 950円(税込み)

今回の「不肖・宮嶋の現場」は今年も参りました「陸上自衛隊 富士総合火力演習である。本連載でも最多登場とも行っていいイベントである。実弾まで使用する演習をイベントなどと言うては不適切である。事実5年前より一般には公開されなくなり、部内教育に重点が置かれた。そりゃあこの演習はあくまで演習や。
しかもくどいようやが、実弾まで使用し、その扱い方を誤れば重大な事故にもつながりかねんのである。でもやっぱ淋しい。土産物や自衛隊グッズを販売する売店や弁当屋や屋台がズラリ並び、スタンドに通じる県道には施設部隊がこれまた訓練の一環として仮設橋をかけ、その上を幾万人もの招待客が鈴なりになっていたのである。
なおグラビアページにはこれまた何度か登場した01(マルヒト)式対戦車誘導弾(ミサイル)である。なんで、この装備をなんども登場させたかというと、これが「和製ジャベリン」ともいえる個人携行型で実戦では有効な戦車キラーとなることがウクライナでの戦いで明らかになったからである。戦争とは皮肉なもんである。人を殺しあいながら科学を進歩させてきとるのである。しかし、まさか現代の戦争がドローンや無人機によって支配されるようになるとは思わんかった。
まさに戦場まで省人化の時代か。