発行 | (株)トウキョウライトルーム |
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著者 | 鷲尾倫夫 |
定価 | 6,300円(税抜き) |
写真週刊誌「フォーカス」のカメラマンをやられていた著者の写真展開催に合わせて出版された豪華写真集である。プリントは写真展会場と同じビルにある貸し暗室で専門の暗室マンにより、出版も同じビルにあるトウキョウライトルームである。著者は超多忙だった写真週刊誌時代から時間を見つけてはライカやハッセル担いで、沖縄や韓国に足を運び、市井の人々やたまにはVIPにレンズを向けしぶいポートレイトを撮影し続けていたという。その沖縄での集大成が本写真集とも言えるんやろうか。ワシがつい先日開催していた「RED PHOTO GALLERY」の後での著者の写真展での販売ということもあり、来場者も会場で手にとっては購入していた。それにしてもハッセルはいい。ワシのカメラマン人生の99パーは24X35ミリの一眼レフのファンダー越しに被写体を見てきた。が大きなイベントで撮影は中型カメラ以上などとカメラ指定を受けたときも、手持ちのペンタックスの645か6X7を使用した。それらも手にしなくなって久しいというか、先日とうとう手放してしもうた。未練がなかったといえば、ウソになる。たとえ手にしなくなったとはいえ、南極、硫黄島という過酷な現場を共にしてきたのである。これで今もワシの手に残る中型カメラは祖父から受け継いだハッセルと同じ6X6ながら2眼レフ、国産の「ビューティフレックス」だけとなった。ワシは学生時代、ドイツの名門カメラメーカー、ローライでアルバイトしとったから、ツワイスやシュナイダーの目玉が飛び出るくらいの高価で優秀なレンズを搭載した2眼レフをこの手で触ってきただけに、ビューティフレックスのチープ感はいかんともしがたかったが、なんちゅうても祖父が父の幼少期を撮影したカメラである。父の愛機だったアイレス35ⅢC同様、修理に金がかかろうと、手放すつもりはないし、第一買い手もおらんやろ。
話はそれたが、それでもこの写真集はまあ通をうならせる一冊である。