発行 | (株)潮書房光人新社 |
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定価 | 1,480円(税込み) |
早いもので…日本人はこれから新年を迎えるたびに能登の民に思いを馳せることであろう。さらに同じ能登を昨年晩秋、豪雨災害が襲ったのである。もう神の試練というにはあまりに無慈悲である。なんとか風化させてはならぬと能登に通い続けたものの、メデイアの関心は低くなるばかり、それでいて「決して風化させてはいけない」ときれいごとばかりである。人類はあの悲劇をまた忘れ、備えを怠り、多くの犠牲者を出し、同じ悲劇が繰り返すのやろ。
ほかにはロケット戦闘機「秋水」が巻頭カラーグラビアに。秋水、オリジナルはメッサーシュミットMe163「Komet」ドイツ語で彗星の意やがすでに海軍では「彗星」と名づけられた艦上爆撃があったので、秋水となったと勝手に推察したが、このMe163の設計図を持ち帰ろうとした伊号潜水艦やたった一回きりになった秋水の試験飛行の結果がどうなったかは本誌をご覧になって…というたって「丸」の定期読者の皆様はすでにご存じであろう。
さらに他には陸上自衛隊の中型輸送艦「ようこう」の進水式の様子が同じくカラーグラビアに掲載されている。とうとう陸上自衛隊も独自の艦艇を運用するようになったかと感無量である。その意義については本誌をごらんになられたら分るが、ワシとしてはこの「ようこう」型より小さい排水量」わずか2,000トンでさらに平底の海上自衛隊の輸送艦「みうら」で19日間カンボジアに向かったのでなおさら感無量である。てっきり「みうら」型と同じように推進浅くて揚陸できるよう平底かと思うていたら、艦首底にはバルバスバウが装備されていた。この「ようこう」の前に進水した、同じく陸上自衛隊の小型輸送艦の「にほんばれ」は「ようこう」より小さいがビーチング能力があるという。やっぱ島国の日本ではビーチングできる輸送艦が必要なのである。
さらに他には井上和彦氏の「慰霊の旅」でサイパン島のラスト・コマンドポストの写真と記事が掲載されている。ワシもサイパン島には何度も行ったが、本頁にある「バンザイクリフ」も指令部壕跡には訪れた。が、かなりの荒れように失望した。もちろん当時の天皇皇后両陛下が訪れた際にはそんなことはなかったであろうが、普段やと酔っぱらった現地人や大騒ぎするアメリカ人観光客のせいでとても慰霊の雰囲気やなかった。ちなみにワシが初めてサイパンを訪れたのは故・三浦和義氏が当地で逮捕された時だった。