著者 | 鳴海 章 |
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発行 | 小学館 |
定価 | 2,200円(税別) |
旧知の著者から執筆までの背景からご苦労までお教えいただいたうえ、ご著書までいただいた。ちょうど、と言っては失礼千万だが、入院中だったため病室で、あっという間に読ませていただいた。帝銀事件異説と副題に、あるが本書はあくまで小説であり、主人公も架空の人物であるが、満州に731部隊があったことも、その指揮官が石井中将であったことも、帝銀事件があったこともれっきとした事実である。著者はまるでそれをその目で見てきたように表現しているが、それには本書にでてきたように古本から膨大な資料に目を通されたはずである。巻末の参考書籍にはご存じ松本清張や半藤一利に並んでその末席にこの不肖・宮嶋の名まであり、恐縮至極である。いったい拙著のどこを参考にされたのかもご丁寧に説明していただいたが、その松本清張の帝銀事件の黒幕はGHQという説に疑問を感じたのが、本書執筆のきっかけだったとご説明いただいた。今回GHQならぬJFKいわゆるケネディー・ファイルのすべてがアメリカで公表された。あのダラスの暑い日の真相はどう見ても、オズワルドの単独犯とも思えんが、帝銀事件の真相もGHQの関わりの有無もGHQファイルとやらがあれば明らかにされるんやろうか?そんな時はワシの目の黒いうちにくるんやろうか?12人もの無垢の市民が犠牲になり甚だ不謹慎は百も承知で、興味は尽きない。