発行 | 産業経済新聞東京本社2024 |
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定価 | 一部140円 月ぎめ3,900円(税込み) |
今回の「話の肖像画」はワシの数多い紛争地取材の中で数少ない、うまくいったケースのイラク戦争の話であった。身近で同業者が2人のみならず、多くの人間の死があったが、日頃のミリタリー取材がいかに紛争地で活きるか実感した。まあそんな経験なんかしないに越したことはないんやが、この世界に人間がいる限り、争いごとがなくなることはない。ケガもせず、拉致もされず帰国できただけで、うまくいったと言える。
掲載された写真はあの日多くの同業者も撮れたはずだが、実際レンズを向けていて、異変に気付いた者は殺されたロイターのカメラマンも含めほとんどいなかった。もし異変に気づき、さらにその脅威の度合いに気づけば、おそらく殺されることもなかったであろう。当時のバグダッドはまさにタイトルにある通り、一瞬の判断を誤れば死を招いてしまうのである。
ほかにはパリ五輪開幕と女子柔道で金メダルを獲得した角田選手の一報と、その得意技の巴投げで対戦相手をブン投げている瞬間をとらえた写真も掲載されている。この日以降も紙面1面や運動面は五輪での日本人選手の活躍で占められることになる。