産経新聞 7月23日号 

産経新聞 7月23日号 産経新聞 7月23日号
発行 産業経済新聞東京本社2024
定価 一部140円 月ぎめ3,900円(税込み)

今回の「話の肖像画」は前回から引き続き、初めての紛争地取材となったルーマニア政変である。しかもその脱出記である。そもそも紛争に巻き込まれたら、真っ先に閉鎖されるのが空路、空港である。しかもこの1989年の冬はルーマニアでも豪雪となり、陸路での峠越えもまさに命がけやったのである。それでも初めてとなった紛争地取材やったが、手ごたえはあった。何としてでも、締め切りまでに当時はフィルムやったから、それをランデブーポイントの西ベルリンに元日までに運ばないといかんのである。ただ幸運やったのはすでに年末年始やったから週刊誌は合併号、締め切りまでにはかなり時間的余裕があったのである。とはいえ、陸路も空路も閉ざされた紛争地からの脱出である。そう簡単にはイカン。さらに余裕がなかったのが、カネである。ただ紛争やってるのに運転手付きのレンタカーはマスターカードで支払えたが、宿は安宿でキャッシュのみ、それで、手持ちが1000ドルを切り、800くらいしかなかったのである。ダメもとで駆けつけた空港は案の定パニック状態、阿漕なパイロットが小遣い稼ぎに帰りのフライトに欧米の大メディアのクルーをぼったくりで乗せていたが、20代のフリーカメラマンがとても払える金額やなかった。で結局丸一日待って、スウェーデンの2人組のテレビクルーとともにアメリカ大使館の駐在武官の陸軍大佐の仲介でローマ行きのイタリア空軍の輸送機で死体といっしょに脱出できた。ちなみにこれまた大佐の御威光でチケット代は払わずに済んだ。それ以来わしは米軍贔屓や。
他には1面には「バイデン大統領(当時)が大統領選からの撤退を表明した一報が掲載されている。まああの年齢であの動きならとてももう4年きっつい大統領職はむりやと、アメリカ国民やのうても見え見えやったが、それでもあないな結果になるとはのう…