発行 | 産業経済新聞東京本社2024 |
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定価 | 一部150円 月ぎめ3,900円(税込み) |
今回の「話の肖像画」は学生時代に撮り始めた愛国党…正式には大日本愛国党の赤尾敏総裁の逸話やデビュー作となった当時のソ連の実生活のシリーズについて語らせてもろた。結局、赤尾敏氏とは大学4年間、卒業後も昭和天皇の崩御や各地で開催されていた日教組大会などへの抗議活動などを通じ撮影はつづけていたが、結局、大学4年間で撮りためていたものは写真学科の卒業制作となり、卒業時には「金丸賞」まで頂くは、写真家人生初の写真集を世に出すきっかけともなった。実は卒業後、写真週刊誌「フライデー」の専属カメラマンになったものの、3年で辞めてからは人生最貧困の時代を通じ、30歳までに写真集を出せなければ、足洗って堅気になろうという覚悟まで決めており、写真集「人間・赤尾敏」を出したときは30歳になったばかりであった。やはり写真家を辞めたくなかったという「あせり」からかかなり不利な条件での出版で、出版社もわりと小さい、どちらかというと左系の書籍も多い当時の「話の特集」社からで、発行部数は2000部、そのうちの半分は著者買取、すなわちワシ自身が買い上げるというほとんど自費出版みたいなもんやったのである。当時アイドルなんかのきれいなきれいなおねえちゃんの写真集が全盛のころ、右翼の老活動家の白黒写真集なんぞ売れるわけもなく、わしは当時の愛車、三菱のランサーハッチバックのトランクと後部座席に写真集を積み、北は札幌から南は大牟田まで右翼団体やそのつてを便り、写真集を売り渡り、なんとか1000部売り切った。ところがその本家出版社が解散、というか倒産というか、無くなった際、倉庫から「人間・赤尾敏」が300冊ほど売れ残りが発見され、その300冊分も買い取ることになり、愕然となった。せやかて30歳の若造カメラマンですら1000部売ったというに、いくら小さいとはいえや、出版社が組織あげて営業して、700部しかよう売らんかったんやから。今となって、わずか2000部の発行部数から、定価3090円の「人間・赤尾敏」に2万やら3万の値が付き、署名を求められることもあるが、もちろんワシには1円も印税は入ってこない。他にはアメリカでは大統領選遊説中のトランプ候補が銃撃され負傷するという大事件の一報が1面に掲載されている。まあ前大統領とはいえ、有力候補というか今や次期大統領が撃たれただけで警護のシークレット・サービスは大失態やが、そのあとが日本の安倍晋三元首相が2発目で銃撃された上暗殺されるに及んだ我が国との違いである。トランプ大統領は5発の銃弾を浴びたものの、犯人は射殺され、右耳の負傷ですんだが、流れ弾にあたった聴衆3人が死傷している。あの自身の支持者には手厚いトランプ候補のことである。3人の死傷舎や遺族のもとにはかけつけたんやと思うがそんな報道は日本ではとんと流れてこない。