発行 | (株)文藝春秋 |
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著者 | 岡村靖幸 |
定価 | 2,250円(税別) |
2回目のウクライナ取材から帰国後、「週刊文春WOMAN」の井崎彩編集長より、異色のワシにお声がかかり、対談の運びとなり、今回、他の多数の対談相手の方々に加え、単行本化された。著者の岡村氏の本職はご存じの通り、シンガーソングライター、ワシみたいに写真を撮るしか能のない男にとって、無から有を生み出す音楽家はまさに凡人を超越した才能を持たれるんやろう。ワシは音楽のセンスは全く持ち合わせてへんが、ヴィジュアルはプロや。岡村氏はその音楽性の特徴はやはりライブに出てるんやろう。サラリーマンを思わせるスーツ姿に汗だくでシャウトする様はシュールで、かつその見た目のギャップでまず驚かされる。さすがに途中でシャツは着替えられるが。
著者の著書に話をもどすが、ワシ以外の対談相手がまあすごい。特に川谷絵音氏が登場しとるのはぶっ飛んだ。まあこれは週刊文春へのリベンジというより、著者と同じ音楽家からやろう。音楽家やったら、吉川晃司氏も登場されてるが、オードリー・タン氏に高村薫氏とまあジャンルを超えてすごいメンバーである。写真関係だけで他にはアイリーン・スミス氏や。もう驚きである。話を聞いて、もっと驚きである。なんとユージン・スミスと結婚した時は女子大生やったというやないか。まあその点は40歳越えてバンコクで当時女子大生だった幸子さんと結婚した故・橋田信介氏もそやし…ユージン・スミス氏を実際知る人は水俣で同じ現場を踏んでいた桑原史成先生や今城氏らが当時スミス氏はミノルタの一眼レフを愛用していたと聞いた。てっきりニコンやと思うていた。まあ太平洋の戦いで従軍したときはライカやったろうが。スミスの愛機がわしが父から初めて買ってもらったミノルトのSRT101だったと知り、さらに驚いた。2年前ブラッド・ピッドがスミスを演じた「MINAMATA」は観れんかったが、監修した今城氏によると、水俣取材シーンではブラッド・ピッドはMinoltaを手にしていたという。まあほかにも千原ジュニア氏、ロバート・キャンベル氏等々わしでも知る様々なジャンルの方々ばかりである。
なお週刊文春12月5日ごの連載「阿川佐和子のこの人に会いたい」でも阿川氏が当の著者と対談されている。