発行 | 産経新聞社 |
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定価 | 950円(税込み) |
今月の連載は東北で実施された「ブリュネ・タカモリ24」と銘打たれた日仏陸軍による共同訓練である。取材地は宮城県王城寺原演習場と岩手県岩手山演習場、近接戦闘訓練と総合訓練の間に3日間という微妙な空白期間があったため、いったん東京に帰った同業者や仙台をベースにした者もいたが、わしは東日本大震災取材時のそれからが気になり、宮城県南三陸と岩手県一関に宿泊した。南三陸ではパックツアーであのホテル観洋に2泊、一関ではこれがまあどこも一杯、震災直後はグリーンホテルというビジネスホテルが風呂無しというか燃料不足で水しか出ないシャワーでしのいでいたんやが、そこもいっぱい、震災発生直後にもかかわらず、健気に姉妹で営業されていた居酒屋も代替わり、そりゃあそうか、あれからすでに13年、一回り以上や。
で岩手山演習場取材の集合時間が朝早かったので、わしは一関に前泊したんやが、東京や仙台から早朝…というか東京からやと夜中になるが…出発した同業者は仙台のさきで大型トラック同士の大事故に巻き込まれ、進むことも帰ることもかなわず、高速上で立往生となったという。1センチも動けず、集合時間にはとても間に合わず、キャンセル依頼の電話がワシの携帯にもあったが、そこは臨機応変の陸上自衛隊第6師団広報班の皆さんの配慮により遅れてきたメディアの方々も実弾射撃中の演習場まで送っていただいていた。で、取材のほうやが、滋賀県の第10師団の射撃場での発砲事件以降初めてではないやろうか、すぐそばでの実弾射撃が撮影できた。特に対人狙撃銃は手を伸ばせば届く距離、まあこれは広報幹部いわく、「いかなる環境下でも冷静に射撃できるよう」な訓練も兼ねているからという。さもありなん。
他にはカラーグラビアに山田良彦氏らが提供された「尖閣の今」が掲載されている。いやあワシが西村眞吾氏と尖閣上陸して早30年、今や島の見えるすぐ近くまで中国の武装した公船が日本の海保や漁師を追いかけ回しとるのである。山田氏らは石垣市の海洋調査船に国会議員らと同行同乗されたもんやが、こりゃあ、もはや手遅れ感丸出しや。これを打開するには、中国に知れず、一気に地上部隊を上陸、「灯台の維持」等理由はなんでもええから、公務員を常駐させるしかないと思うが、政府は中国となんの密約があるのか、外務官僚になにを吹き込まれてか、「イカン」としかよう言わん。ところでちょっと驚いたのは同行国会議員団に稲田朋美議員や青山繁晴議員がおられたのは分るんやが、桜田義孝元五輪担当大臣がおられたことである。被災地に対する不用意な発言で大臣辞任したと記憶しとるが、こと領土問題に関してはまともやったということかいな。見直させていただきました。東海大学教授でもあられる山田良彦氏とはインターネット番組でご一緒させていただいたが、一声おかけくだされば、ノーギャラでお供させていただいたのに…あの尖閣の勇姿をワシの目が黒いうちにもう一回見たいもんである。