著者 | 佐山 二郎 |
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発行 | 潮書房光人新社 |
定価 | 1,080円(税込み) |
光栄である。帝国陸軍の教本復刻版の前書きを仰せつかったのである。しかも裏表紙にまで引用していただいた。原題は写真にある通り旧字体のしかも当時の部外秘の貴重な貴重な資料である。まあ専門的解説は編者の佐山次郎氏にお任せするとして、それにしても驚きである。もう旧軍、特に帝国陸軍のしかも先の大戦末期の精神主義に凝り固まった官僚主義のイメージから程遠い、まさに理にかなった戦術書なのである。しかも階級に関係なく分りやすーく、イラストまで入れ、かといって方程式まで示し、密林戦の効率的戦いを教授しとるのである。もう飯の食い方まで懇切丁寧に。しかもしかも、本教本はなにも迫撃砲戦闘だけに限ったこだけやなく、密林での野営や生活、衛生にまで気を配っているのである。科学的根拠に基づいて。」これで先の大戦で初めて密林戦を経験したというからさらに驚きである。まあそれでも昭和16年暮れに南方に進出し始め。本書というかこの教本が出回ったのが昭和19年やから3年弱もかかったということになる。これが各南方派遣部隊に回ってきたころにはほとんどの島は米軍に制圧された後ということになる。戦争とはやはり虚しい。