正論 11月号 

正論 11月号
発行 産経新聞社
定価 950円(税込み)

今回の連載もまたまたヨーロッパというか、NATOのミリタリーである。前回の百里の「ラファール」に続き、またまた我が国では目を疑う光景、海上自衛隊横須賀基地にイタリアの空母が入港したのである。
もちろん戦前から通じて初めてのことである。これはなにがなんでも撮りに行かねばなるまいと、カメラと望遠レンズ担いで勇んででかけましたで。横須賀へ。入港する横須賀基地への入場は自衛隊側が仕切っていたが、報道陣の入場時間が、入港時間と近いことから、基地内に入ってしまえば、式典は撮れるが様々なカットから被写体である空母のアプローチを撮れず、岸壁からのアングルに限られる。といわけで、入港近くの時間までの集合時間まで、観音崎沖を通過するとこを狙うことにし、今回初めて観音崎まで早朝やってきた。まあ観音崎は防衛大学の写真集撮影で何度も通い地理にも詳しいし、無理せず、観音崎で撮ってから横須賀基地回っても間に合うはずと踏んだのである。しかし一番の狙いは、前回、メキシコの練習帆船を横須賀基地内から撮った時に気づいていたんやが、基地内の逸見岸壁が定位置の海上自衛隊最大の護衛艦「いずも」がそこを基地に入港してくる大型艦に譲るべく、基地沖に留め置かれる。その「いずも」の真横を通って入港してくるのである。で、イタリア空母が近々空母化される「いずも」と並んだ2ショットが本命と策を弄したのである。今回入港したのはイタリア空母は「カヴール」甲板にF-35Bを含む艦載機を満載しているので排水量こそ「いずも」より重いが、全長は「いずも」のほうがちょい長い。そこをばっちし比較できるよう撮れればと踏んだんやが、メキシコの練習帆船は予定より遅れたため。ゆっくり撮れたものの、今回は基地内に入れ、逸見岸壁に駆けつけた時には「カヴール」はすでに接岸寸前、で結局、2隻の2ショットは取り逃がしてしまう。結果論に過ぎんが、入港歓迎式典を諦めれば2ショットが撮れたことになる。しかも高台から。悔やまれる…が観音崎からのアングルもなかなか…入港は朝日で逆光、出港は夕日で順光、とまあどちらもなかなか良かった。