北國新聞 10月17号 

北國新聞 10月17号 北國新聞 10月17号
発行 北國新聞社
定価 一部180円(税込み)

この度、新聞協会賞を受賞した、北陸の地方紙、北國新聞からお呼びがかかった。元日に起こった能登半島を地盤とする北國新聞は輪島市、珠洲市はじめ能登半島中に支局を張り巡らせているが、まさにその面目躍如というべき、能登半島震災での報道写真で、本年度の新聞協会賞を受賞された。その写真の解説と感想を求められたしだいである。ワシは実は能登半島とは北國新聞ほどではないが縁が深く、2009年の能登半島震災でも取材に訪れていたし、盟友、故勝谷誠彦氏の紹介で、のと里山空港開港時にその記念イベントも兼ねた「能登地酒列車」でまあ、のーんびり取材をつづけたこともあった。そんな大好きやった能登に今年元日から悲惨な現場と化した能登に駆けつけるはめになろうとは…。そんな震災の最も被害のひどかった現場の輪島市と珠洲市で震災発生直後に撮られた組み写真の作品でこの度新聞協会賞を受賞したのであった。悲しい思いばかりの能登で数少ないおめでたい話題でもあり、北國新聞の皆さんや地元住民にとっても大いに励みになったことであろう。それにしてもその受賞作品の一方の社会部谷屋記者が珠洲市で撮影した「迫りくる大津波」の作品はなんとスマホで撮られた。2020年、アメリカミネソタ州ミネアポリスで起こった「black lives matter]運動のきっかけとなった白人警察官によるアフリカ系黒人「ジョーフロイト氏圧死事件」の一部始終を18歳の少女が撮影し、世界中にその映像が配信されたが、その動画もスマホで撮られたばかりか報道写真の最高峰「ピューリッツァー賞」を受賞している。もはや報道写真の質は道具で左右されることはなくなったということで、こちらは隔絶の感がった。なおワシの感想と並びお隣ページにはあのジャーナリストの池上彰氏がやはり感想を寄稿されていて、恐縮である。新聞からはめったにお座敷がかからないが、とにもいかくにも、新聞協会賞受賞おめでとうございます。これを機にますますのご活躍を期待しております。能登震災、そしてこないだの豪雨災害、それらからの復興を間近に長期渡って取材できるのは、やはり地元に根を張ったメディアしかない。また現場でお世話になるかと存じますが、よろしくお願いする次第です。