著者 | 鈴木洋嗣 |
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発行 | (株)講談社 |
定価 | 1,600円(税別) |
著者とは週刊文春グラビア班編集者時代から長く仕えさせていただき、文藝春秋時代最後の仕事として、ワシの写真集「鳩と桜 防衛大学校の日々」の発行者としてともに防衛大学にも何度か足を運んでいただいた。しっかし、巻頭からいきなし、政財界ではめちゃくちゃうるさい堀田先輩カメラマンの名が飛び出すわ、その堀田カメラマンからあごで使われるシーンは驚いた。思えば著者はワシより一つ年上やったのに、その仕事ぶりは本書からもわかるようにめちゃくちゃ高度なことやりつづけられとったのである。本書が古巣の文藝春秋からでなく、講談社から出版されたのも手前味噌にならんよう配慮されたのであろう。それにしても、週刊文春グラビアデスク時代から検察情報から政界情報まで著者の指示で様々な仕事をこなさせいただいたが、ふだんからこないな苦労しはってたとは知るよしもなかった。そういえば、著者のネタで赤坂にあり、火災で焼失したホテル・ニュージャパンの社長が入院していた神奈川県内の大学病院まで押しかけたのを思い出される。社長のトレード・マークの蝶ネクタイ姿で重症のはずの社長が院内すたすた歩いていたのを見つけたときは目を疑ったが、今やったら病院内ということで強引すぎると非難あびたかもしれん。またやはり著者の情報で与党幹事長の官舎に夜中出入りする若い女性いると張り込みかけたが、「まさか番記者引き連れた与党幹事長の議員官舎に若い女性連れ込むなんてありえへんやろ。」と疑心半疑で始めたが、1週間ほどで、撮影できたが、あまりに堂々とした女性の態度に「ありゃあ3人いる娘の1人が着替え持ってきただけ」やと勝手に判断したら、「夜中に来るわけないだろ。」とケツ叩かれたことも思い出された。あのときも見事な判断だった。その後の与党との関係は大変厳しいもんになったと容易に想像できたが。思い出は尽きんが、ご苦労さまでした。これからもこれまでの経験を踏まえ、益々のご活躍を期待いたします。