発行 | 産経新聞社 |
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定価 | 950円(税込み) |
今回の連載はカラーでお見せいただけないのが残念やが、毎年恒例の「富士総合火力演習」略して「総火演」の「夜間射撃の部」。日頃の行いがよほど良かったのか午前中の部では薄曇りで、富士山が厚い雲に隠れていたのが、午後7時、日が落ち始めるとくっきり、その美しい稜線を現したのである。
そこに大小の火砲に照明弾が飛び交い、下手な花火大会より、明るく鮮やかであった。もちろんこれらが実戦で使われる際は「きれい」やの言うてられし、実際2003年3月21日夜、空爆下のバクダッドでイラク軍の対空砲火と米軍のミサイルの爆発にさらされたさいは、恐怖で震えていた。なお夜間の部では赤外線等で目標を狙う射撃の邪魔になるので、ストロボ(スピード・ライト)なんか論外、デジカメのモニターさえ切るよう指示され、学生時代のように暗幕をかぶって撮影に挑んだ。また真っ暗なため、戦車等と標的の位置関係、射撃のタイミングに露出等を計るのが日中より、はるかに難しかった。