正論 4月号

正論 4月号
■発行 産経新聞社
■定価 950円(税込み)

今回の連載は先月号に続き能登半島地震への災害派遣のカットになった。他には時節柄旭川に建国記念日の祝賀行事に出席させていただいたおり、陸上自衛隊の第2通信大隊の方々のお世話で初めてじっくり拝見させていただいた「旭川冬まつり」の作品も候補に上がっていたんやが、いまだ2万戸以上が断水中の被害の爪痕生々しい能登駅前のカットになった。今回の震災被害の象徴的な倒壊建築物でもある7階建てのビルのある地域もそうなんやが、この輪島駅前も震災翌々日には電気が一部通じ信号も倒壊寸前ながら点灯しており、緊急走行する車両以外は皆、信号を守っていた。しかしこの交差点というか地名の「輪島駅前」やが、じつはこの七尾線「輪島駅は2019年廃線になり、駅も必然廃駅になったが、この駅前という地名だけが残った。先月被災地を三度訪れた際はこの駅前信号はしっかりまっすぐ直されていた。かつてののと鉄道七尾線は現在穴水駅まで通じており、これまた先月全線開通し「能登桜駅」の別名を持つ「能登鹿島駅」は満開のソメイヨシノに囲まれ、半島いや石川県内外から駆けつけた鉄動ファンや観光客で大盛況であった。ワシは鉄道写真出身やから鉄道の取材となると自然と気合が入る。北朝鮮の二代目、三代目独裁者の特別列車やウクライナから脱出する避難民まで等である。しかし昨今のいわゆる「撮り鉄」には恐れ入る。ワシらより最新の機材持っとるやないか。わしより強引というか押しが強いで。ワシなんか夜桜とのと鉄道からみ撮るためにホームの橋でスタンバイしとったら「邪魔や。こっちはずっと前からスタンバイしとんじゃ」と説教垂れられた。もちろん「素直に従った」で。せやけど線路に入りこんだやつに言われたあないで、と言い返せるわけもない。こわいでえ、つるんだマニアは。