産経新聞 11月16日号

産経新聞 11月16日号 産経新聞 11月16日号
■発行 産業経済新聞東京本社 2023
■定価 一部140円 月ぎめ3,900円(税込み)

今回の連載「直球&曲球」は今もパレスティナでつづくイスラエルとハマスの紛争についてである。ワシは実は中東取材は多かったがパレスチナとは縁が薄い。イスラエルには何度か訪れたがそっちの親しい情報交換できる相手もほとんどいない。パレスチナにも自衛隊がPKO(国連平和維持活動)部隊として派遣されていたゴラン高原ぐらいである。頻繁に足しげく通っていたのは。ウエスト・バンク(ヨルダン川西岸)の壁の中に入ったのも一度だけである。業界的には、頻繁に衝突が起こるガザやウエストバンクは報道写真での名作も多く、またすぐに現場に行けたことから、初心者用の戦場とも言われていた。しかしロシア軍によるウクライナ侵攻のような善悪がはっきりした紛争と違い、何千年にも渡って、宗教、民族、領土が複雑に絡み合った複雑な現場でもある。それに近代はナチスドイツによるユダヤ人迫害に日本赤軍やが連帯したパレスチナゲリラによるテロ事件もからみ、とてもアジアに平和に暮らす日本人には分りずらい戦争になっとるのである。わしが初めてパレスチナの地を踏んだのは1990年の湾岸戦争からやから、遅いほうである。そのころからイスラエルの安全保障に対する妥協なき態度は変わっておらず、2006年のレバノン紛争ではレバノン南部スールですさまじい砲撃、空爆下にさらされた。2週間停戦するまで夜は一歩も外出できず、いっつも上空を警戒して歩いていたが、それでもIDF(イスラエル軍)のヘリからヘルファイヤーミサイルを撃たれるというおそろしい思いをした。その瞬間ピンクの閃光が見えたほど。乗ってた車は破片でズタズタ。運転手は翌日ワシを残して一人で北部に逃げていったほどである。まあ平和ボケした日本人が抱く安っぽいヒューマニズムなんか双方に一切通用しない世界なのである。イスラエルもハマスもやるとなったら、双方妥協を知らんので、今回も停戦になってもいずれまた紛争は再燃、どっちかが滅びるまで何年、何世紀にも渡ってつづくであろう。そんなイスラエルによるガザ侵攻なんぞにワシのような一見さんみたいなんがのこのこ出かけて行ってもハマスの人質にされるか、IDFに撃たれるどころかガザに入ることすらかなりむずかしいであろう。なんで、今回は一度も訪れていない。が、ワシでも言えることは言わせてもろた。