■著者 | 酒井聡平 |
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■発行 | (株)講談社 |
■定価 | 1,500円(税別) |
最近話題のベストセラー、その著者ご本人から献本いただいた。ありがたい。酒井記者は新聞記者でなく、遺骨収集ボランティアとして硫黄島に4度上陸したが、それぐらい現在の硫黄島は来る民間人を拒む。不肖・宮嶋が初めて硫黄島に上陸したのは1994年、いまから30年も前のころである。慰霊のための清酒と花束を手に上陸海岸(南海岸)に立つ自分の写真はとても現在の自分と同じ人物にみえないほどの時代の開きを感じさせる。当時は壕で一晩過ごすこともできたが、現在は旧島民の帰郷ですら、日帰りである。
さて本書であるが、戦後78年たってもまだ19,900人の日本軍戦死者のうち1万柱以上の遺骨がこの島の地下で眠ったままの謎解きを資料を基に進めるという、変わった切り口で迫っている。不肖・宮嶋も今秋の硫黄島と国後島の写真手開催に備え、さらに勉強したい。