忘れられた香港〜the Forgotten State〜

忘れられた香港〜the Forgotten State〜
■発行 不肖・宮嶋 写真事務所
■定価 4,000円(税別)

一昨年の9月に新宿ニコンサロンで開催された写真展での図録のつもりで制作した写真集であり、前作「歴史は夜作られる」と同じ、過程で100部のみ刷り、写真展会場でのみ販売した。装丁はこれまた前作同様、森本眞実氏にお願いしたで、不肖・宮嶋の作品が実物以上に良く見えるのはその森本氏のデザインのおかげである。コロナ禍まえの激動の香港を記録した貴重な写真満載、作品の質は申し分んなく、会場のみで販売していたのだが、写真展見に来られた香港の方々が次々に買い求められ、会期終了を待たずに完売し、これなら倍の200部吸っていりゃもっと単価下げられたのにと、またまたおのれの商才のなさにあきれた。わしも何度も写真展を開催したが、わしの写真の前で、涙を流された方を見たのは初めてであった。そのほとんどの方が民主活動家や激戦の舞台となった香港理工大学のOB,OGの方々であった。すでに北京の共産党政府が一方的に香港にも発布した「外国での活動にまで適応できる」「国家治安維持法」により、中国大陸はもちろん香港にも帰ることが叶わなくなった方々が望郷の念で落涙されいたのであろう。さらに多くの会場を訪れたり、本書を手に取られた「香港人」の方々が忠告されたのは、2度と中国大陸はむろん香港にも行かないほうがいいというものであった。なんちゅうても「国家治安維持法」は外国人の外国での反中国政府的言動」にまで適応され、最悪終身刑に処せられるからである。