■著者 | 宮嶋茂樹 |
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■印刷・製本 | (株)メディアドゥ |
■装丁・レイアウト | 森本眞実 |
■発行 | 不肖・宮嶋 写真事務所 |
■定価 | 4,500円(税別) |
明石で開催された同タイトルの写真展の目録のつもりで制作したが、意外と好評どころか会期中全部数売り切れたのに味しめたというより、もうちょっと質の高いものにと第2刷に踏み切った。初版より2カット差し替え、3カット増やしたため、ぺーじ数も当然増え、さらにその増えた分だけ重くなるので、綴じも強化したため初版より若干割高となった。ほとんどは写真展に展示された作品だが、写真集はデザイナーの森本氏のセンスでセレクトしてもらったため、若干差し替えたり、また増やした結果である。まあ実質写真展よりはるかに小さなプリントであるが、写真集のほうがしぶく見えるのはこれ皆、デザイナーの森本氏のセンスのおかげである。それにしても印刷がこれインクジェット、これめでのインクジェットの概念から飛びぬけたクオリティー、耐水性も増しちょっと水こぼしたくらいで、滲むこともなく、まあ保存状態にもよるが、退色はグラビア印刷より長くもつんちゃうかとまで言われている。この作品の質や印刷、内容、ボリュームでこの値段はかなりお買い得やと思い、実際明石の写真展では500円安いとはいえ完売したので、半年後の新宿ニコンサロンで開催された個展「忘れられた香港」でもまた売れると考えたが、そうは柳の下にドジョウが何匹もおるわけもない。まあそれやったら最初からもっと部数増やして注文したら、単価ももうちょい下げられたもんであるが、そのあたりの塩梅はむずかしく、新宿のあとは半分ぐらい売れ残ったが、まあいずれまた写真展やるときにでも置かせてくれるなら、はけるかもしれんし・・・なんちゅうても新しい写真集が出んのはカメラマンとしても寂しい限りや。てな単純な理由や写真展の目録のつもりだけでこないなりっぱな写真集世に出したわけでもないで。自費出版よりも従来通り出版社からの出版を考えてたんは言うまでもないが、これがまあどこもさっぱり乗り気がなかったのである。そりゃあ作者としてはどこに出しても恥ずかしくない内容や。それでもまあ社会性が強いわしの作品のような危ないもんをわざわざ出さんでも、犬猫かわいいアニマルやおねえちゃんのきれいな写真集出したほうがよっぽど気が楽やし、儲かるかもしれん・・・とわしでも分かる。それでも出してもええで、といわれた出版社なんか定価2,500円で2000部刷って・・・ここまではええが半分著者買取で印税10パーセントていうまあ持ち出しが100万以上というめちゃくちゃなもんやったのである。しかも作品の数点は大手でもないんやが、「手錠が写っている」やの「刑期が満了してる」やの「肖像権の承諾とってない」やの掲載できんとまで言われ、なんでそこまでして出してもらわないかんのや、と、好きな作品を好きなように出すにはこの際自費出版やと踏み切ったのであるが、これがまあ一冊目はおどろくほど簡単やったのである。そりゃあデザイナーの森本氏とは長々と打ち合わせすることとなったし、校閲もシロートのワシがやるハメになり、現に2刷りになっても40ページに「クリスマス」が「クリマス」となっており赤面の至りである。それでも出版社かまさんからそのぶん手間隙かからんかった。しかし出版前に相談にのっていただいた元フライデー編集長で現講談社ビーシーの重役でもある出桶氏の「どうせ写真集デザインするなら、アマゾンでは一冊からでも刷り、販売してくれるから、アマゾンからでも出版するべき。今や書店で本買うより、アマゾンで買う読者のほうが多い時代」という助言に従い、アマゾンあkらの出版も決めた次第である。しかしこれが大変やった。特に出版社もとい出版者コードの取得というやつ。書店で販売されている出版物に漏れなく付いてるバーコードみたいなヤツのことやけど、この取得がまあ大変やったが、いろんな出版社の編集者から経験談をお聞きして、またパソコンとにらめっこして、山のような書類をプリントアウトしてやっとこさ世に出せたしだいである。まあおんどれの苦労なんかはプライスには反映されておりません。このクオリティー、このボリュームでこのプライスは決して後悔させません。お買い得である。それは社会の近代史の教科書になるぐらいに。