正論 12月号

正論 12月号
■発行産経新聞社
■定価900円(税込み)

今回の連載はやっと撮れた!政府専用機の貴賓室。わしは政府専用機取材したんは何回かあるが、そのどれもが地上で、実際フライトしたときも訓練飛行のみ。皇室の方々やましてや首相なんかと実際の外遊なんかで同乗したことなんか一回もない。そんな政府専用機の貴賓室は機体前部にあった。あったというからには過去、つまり現役のボーイング777やなくて先代の747ジャンボ機のほうである。先代はこの貴賓室なんかをはずされアメリカの航空会社に単なる中古機として売却された。で、その貴賓室、たとえ地上やろが、飛行中やろが、わしらが絶対カメラを持ち込めない。今の現役は。いや見てもええといわれるが、撮ったら絶対アカンと言われていたので、もしその画像が流出したら、貴賓室の位置を変えんとあかん、つまり、しばらく使えんようになるのである。なのでそんなことになって疑われたたらいややなので、見ることさえ遠慮した。そりゃそうやろ。わしらが本腰いれたらたとえ監視下でも撮ろうと思うたら撮れるんやから。ところで今回のグラビア実は再撮。当然取材は企画書提出してスケジュールあわせてもろて、浜松入りしたんやが、このとき新しいカメラバッグのモニター頼まれていていつもと違うカメラバッグを背負うていったのである。東京から浜松、でそこで取材、それからその日のうちに実家明石に帰り、翌日は早朝から加西市の鶉野飛行場で紫電改の取材やったので、小型のカメラと超広角レンズ2本と標準ズーム一本積めた。貴賓室はそないに広くないので、カメラ一個で充分、カット数も室内しかもせまいスペースやから予備バッテリーもいらんやろ・・・とまるでアマチュア・・なんていうたら写真愛好家に失礼・・・とにかく初心者やあるまいしというぐらい甘い考えで出発新幹線車内でもカメラ点検せず、この貴賓室が展示してある航空自衛隊浜松広報館エアーパークに到着、広報担当者の案内で特別に許可を得て貴賓室に入り、カメラ取り出したところで、絶句した。カメラの電源がONのまま・・・この前の点検清掃したあとから電源入りっぱなしやから、当然容量空っぽ。予備バッテリーもなし、充電器もなし。ちかくに電化やカメラの量販店もなし。万事休す。出直しで、再度取材日程を調整していただき、2日後再訪、今度は無事取材を終えたが、時間と取材費が倍かかってしもた。いつもは機材の特にカメラの、特に特にのデジカメは単3電池のような汎用電池よりはるかに電力高い専用リチウムイオン電池が電源なので、充電してカメラに一旦セットしたら、不用意に電源が消失しないようメインスイッチをOFFったらそのセレクタースイッチの上に目立つように白でも赤でもテープ貼っとくって、そんなちょっとした手間とテープを惜しむなと、母校の講義でも自分から言うててこの様や。