2代目お召し列車初登場 =激写リストに戻る=
嗚呼…「テツ」の血が騒ぐ。不肖・宮嶋久しぶりに鉄道写真に戻ってきた前回は三木鉄道とゆう廃線寸前の地方鉄道であったが今回は畏れ多いことに新型お召し列車の取材である。改めてワシから述べるまでもないが鉄道写真は報道写真の原点である。鉄道写真を極めれば報道も自然極めれるのである。なんちゅうても鉄道写真と報道はあきれるほどプロセスが似とるのである。まずは時刻表とにらめっこ、そして地図と経験から理想の地形をイメージし、それに天候と太陽の位置とゆう要素も加わる。さらにそのためにおのれの足や交通機関まで手配し、現場ではプロ・アマ問わず他のカメラマンとかち合えば情報交換や足の引っ張り合いとゆう交渉ごとも必要になってくるし、カメラポジションによっては鉄道当局や警察関係者との修羅場も渡らなあかんのである。特にお召し列車ともなれば鉄道会社のみならず、さまざまな官庁も噛んでくる。しかも初お目見え、もひとつしかも同乗されるのはスペインの国王夫妻である。厳重な警備が予想される。おのれが原因で事故や遅れでもひきおこそうもんなら命さしださな…てなことは現在ではないものの、孫の代まで非国民である。
ちなみにお召し列車お乗りなられるのは両陛下と皇太后陛下まで。現在は皇太后陛下はお隠れになったのでわが国ではお二人だけ、そしてお二人とごいっしょに限り外国のVIPや他の皇族の方々である。初代お召し列車は昭和天皇の全国にわたる行幸で活躍したが、さすがに時代に勝てず、2代目の電化タイプとなった。比べるのもおぞましいが北朝鮮のあの金正日の専用列車もワシはしっかり見たが、あれはわが国の植民地時代においてきた博物館クラスの骨董品。速度上げたらばらばらになるとゆう恐れもある。外国の王室やVIP用にも特別列車は存在するがわが国のお召し列車のすごいとこは普段のダイヤを変えずにお召し列車を走らせるとこである。シベリアを横断した金正日ののろのろ列車なんかシベリア中の在来線をとめてダイヤが大混乱。本人が半島に帰ってから、ロシア中で鉄道省相手に大損害受けたロシア市民が訴訟を連発、それがことごとく勝訴して鉄道省は大赤字。わが国のお召し列車は庶民の生活、仕事に差しさわりがないようにするとこがすごいのである。考えてみてみい、普段お召し列車は原宿の特別ホームから山手線通る。あの数分で一本、一周で何十本とはしっとるなかに一本線を引いダイヤ組みなおすのである。これはもうスーパーコンピューターでも出来ん。JRにはこのためだけに存在するベテランが数人おり、「スジ屋」と呼ばれている。映画「踊る大捜査線」で金田龍之介がやってた「線引き屋」もそれである。あいにく今上陛下は飛行機や新幹線をお使いになられることがおおくお召し列車の出番はめっきり減ったとはいえ、いまだにそんな職人がおるのである。さらにお召し列車と他列車を並走させない、通過中高架に他列車を走らせないなどとゆう条件も満たしてである。さらにもひとつお召し列車には露払いのための動力車を先行させるのである。当然電力がおちるなどの非常事態には牽引せなあかんのでデイーゼル車である。このときはDE-10がその大役を買ってでていたが、あれのろい。しかもこのときは常磐線。スーパー常陸なんかもはしっとる線である。もうあっぷあっぷやったであろう。 当然お召し列車のダイヤは非公開。しかし「テツ」なめたらあかん。48時間前には正確なダイヤ割り出してまうのである。方法は…これ以上紹介して「テツ」に迷惑かけるのは本意でない。しかし合法的にちゃんと割れるんやで。
これらの写真は実は都内である。常磐線やったら利根川の鉄橋渡るしぶいとこを…と考えるのはテツになれんぞ。鉄橋は柱が多い、ほとんど直線、しかもそれを正面から撮れるポジションが線路上かその付近、もひとつしかもテロで狙われやすいから警備がきついとまあ障害が多いとゆうよりぱっとせんのである。やっぱカーブのとこで全車両圧縮してさらに電柱や電線がかぶらんとゆうベストなポジションはそうざらにないのである。この付近がしぶいぞと教えてくれたのは実はワシ以上にテツの大倉カメラマン。ここをピンポイントで割ったのはワシやがここ線路内でもなければ駅のホームでもましてや他人の敷地に勝手に入ったものではない。ちゃーんと関係者のお許しを得てからである。お召し列車が走るともなれば当然沿線全部に当局から「当日は知らないものを入れるな、近づけるな」とお達しが行き渡る。テツの交渉ではなかなか理解が得られんがこの日は特別にご理解いただけた。さらに当然常磐線を見下ろせる建物の屋上すべてに警察官の姿があった。もひとつ当然ワシのそばにもピターと制服、私服の2名の警察官が張り付いておられた。職務質問には慣れとるが、お召し列車の取材では職質内容が違う。「カメラは2台、超望遠は何ミリ、それを三脚に載せるのか、三脚は何台、さらにストロボの使用の有無」である。まあ大光量ストロボをたきつければ、陛下も驚かれ不敬やとゆうのもあるが、おそらく警備の警察官は閃光にナーバスになっとるからであろう。当然ストロボな無しである。お二人の警察官はお召し列車が通過後あっさり引き上げていかれた。ちなみにこの付近の駐車場も警備関係車両のためぜんぶ使用不可のため当日はたった数秒のため半日歩き回ることになった。
両陛下とスペイン国王夫妻はこの日原宿やなく上野でご乗車されつくばをご視察、帰路はなんとつくばエクスプレスにお乗りあそばれ、なぜか南千住でお降りになられそこからは御料車を利用された。終点の秋葉原で最近物騒な事件があり治安がよろしくないからかどうかはわからんが… しかし本格的テツにとってはこのしぶいお召し列車よりつくばエクスプレスのほうがメインイベントやったとゆう。お召し列車はこれからも撮るチャンスはあるが、つくばエクスプレスの先頭車両に特別なヘッドマーク取り付けられる機会は2度とないやろう、つまり両陛下がお乗りになることはないやろうから超レアやとゆうのである。まあ確かにそうやろけど… このお召し列車、両陛下がお乗りになる車両があってはじめてお召し列車となる。普段は貸切列車として使用されることまあり、一般市民でも乗れるがかなりハイテクで豪華やとゆう話である。もちろんただの貸切のときは菊のご紋のエンブレムも両陛下専用の車両も牽引されんし国旗もなしである。このあたりも千代と違う点である。
写真の考察やがこれもちろんノートリやがもうちょいアングル左に寄せたほうがよかった。とにかく実物は写真よりもっとSFチックで度迫力あった。

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