正論 12月号

正論 12月号
■発行産経新聞社
■定価900円(税込み)

今回の連載も大規模災害、しかも東日本大震災で津波に加え、原発事故という日本人が経験したことのない大規模被害を受けたまさに東北3県がまた、今度は台風被害に合うたのである。これ昨年の秋の話やが、この台風19号被害の直前も今年もついさっき60人以上の被害をだしたのとほぼ同じ九州北部で豪雨により大規模災害こうむったばかりやというのにである。ホンマ自然は残酷であり、無慈悲である。そしてこんあ悲劇のたびに想う。「コンクリートから人へ」の美名で当時の、今もなれのはてがそうか、民主党のダムや堤防工事を中止させた無責任政策の愚かさを。そりゃあ確かに環境問題は大事や。ジュゴンさんも海亀も鮎もかわいいわえ。ガキ共の水遊びも歓声もほほえましいわえ。さやけど、それは自然がおとなしいときだけや。わしら日本人はすでに毎年、何十年に一度あるかないかの自然の猛威で死者だし続けてるのである。「自然との共存」なんてそりゃあ耳障りもええわえ。それで今回みたいに何十人の死者出して、自然環境派や政治家がおのれらの無責任な言動の責任とったなんて話聞いたことないで。ちなみにこんときは、民主党が中止を公約しときながら、やっぱ工事再開を認めたため、大幅に工期が延びていた群馬県の八ツ場ダムがほとんど完成しており、関東地方は確かに水位は上がったが、その前年の鬼怒川決壊のような大規模水害に襲われることはなかった。