正論 8月号

正論 8月号
■発行産経新聞社
■定価840円(税込み)

今回の連載は金正恩とドナルド・トランプ米大統領との首脳会談、いわゆるシンガポール・サミットが終わって、その二人が帰ってから、ゆっくり取材できたシロソ島要塞跡でのサレンダー・チェンバース(降伏の部屋)のひとつ、山下・パーシバル対談の蝋人形館であった。詳細は本号を読んでいただくとしてや、いやあ今年の夏は暑い、7月上旬はリムパック取材でハワイやったが、東京はハワイより確実に暑い、せやけど、この取材時の6月上旬のシンガポールも暑かった。しかも蒸し暑い。ホテルから一歩でただけで一瞬で眼鏡が曇る。タオルは1時間で匂いだす。それで一日中、夜中まで歩いたら、まだまし、ずうと立ったままや。あまりに哀れに見えたのか、金正恩が泊まっていたホテルからペットボトルの水が遠く引き離された路上のわしらカメラマンのとこまで差し入れられた。シンガポールは金融都市国家として有名やが、わしは津波や災害派遣等の取材でインドネシアの往復、特にメダンの行きかえりでシンガポールに寄ったぐらい。今回初めて長く滞在したが、ここシンガポールが独立以来ずうと一党独裁体制やとは意外と知られてない。だからこそ、金正恩が首脳会談場所に選んだんやが、それでも観光でも潤ってる国、あの同じ共産党一党独裁の中国みたいに、あのデブが泊まるからという理由だけで、宿泊客を無理やり追い出すとか、デブ専用車両にカメラ向けただけで、身柄掻っ攫われるなんて心配はないが、人権意識にが薄いから、そこらじゅう監視カメラだらけ、しかもあのデブと米大統領がそろって来るから普段より増してカメラ増設しよったのである。なんちゅうてもお隣のマレーシアの首都、国際空港でこのデブが差し向けた刺客に騙されたベトナム女らによって血を分けた兄を神経ガスで殺しとるのである。しかし、これだけカメラ据えても、ずうと見るにはどえらい人手がいるけど、おそらく不審人物や不審な動きを自動で瞬時に認識、識別するソフトが直ちに追跡、警告するんやろう。当然「やりすぎ」やの「プライバシー侵害」やの「監視社会の恐怖」なんて騒ぎ立てる市民もいない。独裁はええのう。ただしシンガポールみたいに市民を飢えさせん政治やったら何十年と持つなら分かるけど、なんで朝鮮半島であなにな無能な一族の独裁が続くんやろ。国民もあんなデブ一家を倒そうとする根性ないんや。