正論 7月号

正論 7月号
■発行産経新聞社
■定価840円(税込み)

今回の連載は正月以外では珍しく、沖縄から、しかも辺野古からである。米軍辺野古沖基地建設反対運動は、ありゃあ現地に人ほとんどおらんで、というと、反対派のカタガタはヒステリックに「そんなこと、ないさー」とこかれるが、この日の自称「平和大行進」の参加者は主催者発表で2200人、わしが見たとこでは1000人おるかどうか、そのほとんどが本誌ワシの写真のとおり沖縄意外のいわゆる「外人部隊」であった。ミナしれーと沖縄県民のふりしとりゃあ分からんもんを、反対派のこれ見よがしの習慣で、所属セクトの赤旗や幟おっ立てるから、沖縄以外の組合や大学がモロ分かりやで。しかもこの日の朝、北朝鮮が中距離弾道ミサイルぶっぱなしとるのである。この沖縄全島がすっぽり射程に入る弾道ミサイルやで。目の前の米軍基地よりよっぽど物騒なシロモノやのに、こっちの危険性には目をつぶり、一言の抗議もなし、まあそれでも那覇の国際通りなら、いざ知らず、こんな観光客も海兵隊もめったに近寄らんビーチやし、なんでこんな人気無いとこで、デモやるんやろって、なんや成田空港反対派の三里塚公園を思いだされた。このデモは、この日の午後、辺野古沖滑走路建設予定地内になる、米海兵隊基地の「キャンプ・シュワブ」で開催される一般公開取材に来て、偶然出会った。結局一年で一日だけやが、一般市民が堂々と基地に入れるお祭りのほうが全国からわざわざやってきたデモ隊の人数よりはるかに多かったのに、地元紙にはほとんど報道されることはなかった。