日本の特殊部隊 (2017年3月号別冊)

日本の特殊部隊(2017年3月号別冊)
■発行(株)SATマガジン出版
■定価1,980円(税込み)

SATマガジンの別冊というかMOOKにたくさん写真が掲載された。わしが取材した「日本の特殊部隊」というてもそんなに機会がない。まあ普通そうやろ。めったに取材できんから特殊なんやから。今回掲載されたわしの写真は警視庁のSAT(SPECIAL ASSAULT TEAM 特殊急襲部隊)同じく ERT(EMMERGENCY RESPONSETEAM 緊急時初動対応部隊)とさらに同じく SIT(SPECIAL INVESTING TEAM 刑事部捜査一課特殊班)SATはテレビの刑事ドラマや映画「踊る大捜査線」などでも映像化されたものはカタギの衆にもすでに特殊部隊のイメージが広まったが、どっちかというと人質事件や立てこもり事件などの長時間交渉などでわしらの目に触れる機会が多いのがSITのほうかな。わしが最初に見たSITはSATが創設されたといわれた直後の東京証券取引所の立てこもり事件やった。今では見慣れた黒ずくめでサイ(太もも)ホルスターという特殊部隊ルックで背中にSITとあり、「あれ?SATとちゃうの?」と首をかしげ、のちにSITの正体を知った。特殊部隊の定義はいろいろあるんやろうが、氏名と素顔をさらさないというのが国際基準やろうか、ただ最初はタクティカル・ベストの背中にSITと大書きされていたのに当時は素顔が見えていた。SITは捜査一課特殊班のローマ字の頭文字をとったという俗説もあるがSATが東京、愛知、大阪などの人口が多い大都市の警備部の機動隊の一部隊に対し、SITは刑事部の捜査一課、テレビドラマで言うたら「相棒」の伊丹刑事と同じ部署ということになる。以後は浜松の立てこもり事件でシルバーフィニシュの自動拳銃かまえて突入する寸前のSITらしき姿も撮ったんで、今回も写真を提供したろかとも思うたんやが、当時はまだフィルムを使っており、ネガが見当たらず、結局間に合わんかった。さらにSATが創設されて最初にSATが投入された事件として「函館空港ハイジャック事件」があったが、当時は羽田空港から航空自衛隊のC-1輸送機にSATの人員と装備が乗り込むとこがかなり長距離から撮られ、事件解決後、新聞紙上にも掲載されたが、はっきり捉えたのが、ハイジャック機のすぐ下でわしが撮った機動隊員の姿と言われていたが、専門家に鑑定した結果、SATの指揮のもと実際機内に突入いたのは北海道警察の機動隊、銃器対策部隊とのこと。全日空職員や空港整備員に変装した警察官に連行される犯人もすぐ近くで邪魔されずに撮れたという大スクープやったが、直前に手のひらに怪我をするわ、直後にその事件解決した銃器対策部隊の指揮官らしき機動隊に目をつけられ、つまみだされた、そのいきさつは拙著「踊る大取材線」(新潮社刊)にもくわしいので、書店でお求めのうえ・・・といいたいとこやが、すでに絶版になってしまったので、わしの写真展なんかで販売されたときにでもご購入くださいませ。まあきれいな、きれいな、武器や装備をアップで撮れる訓練や、企画物の取材と違ってアクチュアルな現場とはそれに恵まれるだけで超ラッキー、撮れたとしても一瞬のことである。さらに海上自衛隊のSBU(SPECIAL BOARDINGTEAM特別警備隊)や陸上自衛隊の特殊作戦群もセレモニーの時だけやが、取材していたが、そちらのカットは柿谷哲也氏の撮影されものが掲載されている。これでまだ幸いにもアクチュアルで出動もされてなく、訓練も一切も報道されてない「日本の特殊部隊」はその「特戦群」だけとなった。