正論 7月号

正論 7月号
■発行産経新聞社
■定価780円(税込み)

今月の連載は久しぶりの海外ネタ。何年ぶりやろ、モスクワは・・・確か震災前やから4年以上前か・・・モスクワで繰り広げられた対独戦戦勝70周年記念イベント取材は50周年、60周年に引き続き3度目の取材、年々参加しているベテラン(退役軍人)や民間勤労奉仕団や元民兵の数は少なくなる一方。50周年のときはロシアの指導者はすでに初大統領ボリス エリツィン、60周年そしてことし70周年のときも同じくウラジミールプーチンが大統領。前回60周年のときは本番当日は赤の広場立ち入りできず、ベテランたちも50周年の行進してたのもおったが、60周年からは全員トラックの荷台に乗りっぱなし、そして70周年はスタンドの特等席で、しかも日本から安倍首相は当然来ないから、ただでさえせまい取材スペースには国家元首が出席したカザフスタンやのチェコやの国籍のカメラマンが優先され、日本のメデイアなんか皆様のNHKぐらいしか中いれてくれん。特にエグイのがご存知中国人、ただでさえうるさい民族の上、大集団。結果前前日のリハーサル(予行)と本番夜の大コンサートのみ赤の広場へ入れた。それでも日本人カメラマンわしぐらいやで。大新聞、大テレビ局のクルーはレーニン図書館向かいの国際プレスセンターでモニター見て原稿書いてええらしいのである。それが代表取材に選ばれたものと漏れた社の義務と権利やというらしい。いくら予行というたって本番と同じことやってくれるのである。それを見れる機会なのである。そりゃあ行くやろ。おかげで予行で赤の広場のパレード中、ロシア軍が誇る最新鋭戦車T-14 通称アルマータがエンコしたとこもばっちり押さえられた。今回もゼニはかかったが、なんとか報道ビザを取得した。ロシアはまだわしらでも報道ビザが取れる機会はあるが、これが中国大陸やとなかなか・・・わしは仕事であの大陸行くときは絶対ビザ取る。まあちっさいカメラ一個ぐらいやとええけど、前回ははや5,6年前か、青島に海上自衛隊の護衛艦が入港したときも入港前前日にギリギリ報道ビザが出たから、行った。あそこただでさえ反日暴動多いから、観光なんかで、でっかい望遠レンズなんか持ち込もうもんなら、どんなインネンつけられうか、たまったモンやない。報道ビザだけで、赤の広場でパレード撮れたら世話ない。つぎはプレスカード的なもん。これはロシア外務省が発行してるが、これ取るのもややこしい。さらにこの戦勝70周年イベントへの取材登録、これはネット通じてやからさほど、ややこしないが、こんなカードあっても、せいぜい国際プレスセンターに立ち入りできますよという程度・・・と思うていたら、これがまあ結構威力あった。なんちゅうても国際プレスセンターはクレムリンの隣、もうクレムリンの周りも主要道路もいかなる理由があろうと、一切立ち入り禁止になるのに、国際プレスセンターに行きたいとこのカード見せたら通れたのである。その間人影が消えたツベルスカヤ通りを走り回るT-34も堂々とレンズ向けれたのである。あの野党指導者が暗殺されたクレムリン橋も赤の広場から下りてくる将兵、車両のパレードも一直線。一般人は立ち入り禁止やから余裕で撮れた。そこではサープレッサー付きのけったいなAK-47もどき配備されたスペツナズやのクレムリンやグム百貨店の屋根の上には見たこともない、ドラグノフでもない、ハリスのバイポッド付いた折りたたみストックの大型ボルト・アクションの狙撃銃構えたスナイパーとスポッター ばっちし撮ったというのに、ミリタリー専門誌も含め、どこも見向きもしてくれん。なんでやろ?本号でもやっぱし産経新聞、対独戦とはなんの縁もないうえ、戦勝国ですらない中国共産党政府からいちびって派遣された人民解放軍の陸海空儀状隊がインドやカザフ軍なんかといっしょにパレードしとるシーンを選ばれた。当初は予行の日、赤の広場で立ち目線で横から撮った比較的近い写真を選ばれていたが、写真的には圧倒的にこっちのほうが優れていると、このカットを強く薦め、編集者にも納得していただいた。