正論 5月号

正論 5月号
■発行産経新聞社
■定価780円(税込み)

今月の連載はめずらしくミリタリー専門誌かと見間違うかとごとく、しかも我が国のFX(次期主力戦闘機)に決定したF-35を、しかもV-TOL(垂直離着陸)できるタイプBをわざわざアメリカ大陸、砂漠のど真ん中のアリゾナ州、ユマの海兵隊航空基地まで出かけ撮ってきた。こんなおいしいチャンスやったのにミリタリー専門誌以外の一般誌の食いつきは悪く、グラビアで紹介してくださったのは本誌ぐらいであった。取材は軍事の専門家か柿谷哲也氏と菊池雅之氏も同行、というかシロート同様のわしがひっついていったというのが実状であった。それにしてもユマは砂漠だけ、なんもない町であった。確かヤクルト・スワローズのキャンプ地にもなったぐらい、あったかいというより焼け付くような暑さであった。海外のエアショーの取材が実質初めてのわしは柿谷氏、菊池氏に教えてもらうところ多く、撮影は地べたの撮影用スペースより観覧席最上段が望ましいとか初めて知った。理由は立ちあがる必要があり、後ろに一般観客がおったら大顰蹙買うから、ということと三脚はさらにスペース必要やからNGやとか等である。前夜祭は思うたより寒く、砂漠の夜は冷えるということを痛感せざるをえんかった。ただ雨の心配がほぼないというのは気候上、カメラマンには大助かりであった。1000からのエアショーに最上段席確保するため0600起床、基地に駆けつけたが、すでにアメリカらしく砂漠に長蛇の車の列が出現、それでもあせってスタンド駆けつけたら、すでに最上段は埋まりわしよりさらに早起きしていた菊池氏、柿谷氏の前の席におしこんでもろうたが、もひとつ右端の列もすでにニコンの機材をもった日本人女性を含めた若い一団に占められていた。しかし機材もわしらと見劣りせんぐらいりっぱなもんやったし、英語のアナウンスも完全に理解しとったみたいやし、かなり取材慣れしとるし、在米のジャーナリストたちやろかいなとも思うたが、菊池氏、柿谷氏にも心当たりないというし、ショーが終わるまで4時間以上お隣にいながら、お仲間とは楽しそうに話されてたが、わしとは一言も言葉を交わすことなかった、・・・からやっぱ日本から駆けつけたマニアの方々やろか。それにしてもすごい熱意である。仕事でもこんな何もない砂漠に何時間も車ころがしてくるの嫌やのに・・・やっぱこっちから挨拶しとったらスッキリしとったのに・・・でもよかったF-35Bの垂直離着陸この眼で見れて。これ見た日本人まだこの時期ではごくわずかやったはずである。せやけどF-35の前に展示したハリアーIIのフライトは結構長く、機動力もあったが、F-35B、ライトニングは恐る恐るフライトであった。