国防男子

国防男子
■発行 集英社
■定価 1800円(税別)

一年ぶりの新刊写真集を世に送り出せた。昨年に引き続き海上自衛隊ものやが、昨年出した「マイティー フリート 精強なる日本艦隊」がカラーポジまで含めた過去の作品まで網羅し、艦艇などがハードウエアーが主役やったのに対し、今回はそれを自在に操る人物が主役、登場された皆様はぜーんぶこの写真集のために撮りおろした。特に海上自衛隊の若い隊員だけに絞り、北は函館、南は沖縄まで全国の軍港、航空基地、教育機関を4ヶ月かけて渡り歩いた。自薦他薦また部隊を代表して満を持して送り出された方さまざまやったが、撮影前に辞退されたかたが一名だけであった。さあそれで撮影は当初は天候に恵まれず、特に抜けるような青空を期待した沖縄が2日とも雨とドン曇り、P−3Cから見れる慶良間諸島は低空を飛んでもらいなんとかさんご礁を写し込めることができた。撮影、ロケは後半になるほど天気に助けられるようになり、順調に最後になるはずだった輸送艦「おおすみ」クラスの乗員の横須賀ロケのみが諸般の事情で中止になった。それでも足らんのである。ページ数が。編集は途中から出版元からの要望で解説を混ぜるようになりますます足らなくなり、ゲッこれもはずすの?という泣く泣くはずした名作が少なからずあった。それは出版直前の週刊誌などの宣伝ページでなんとか世に出そうよ淡い期待を抱いたが、やっぱどこも掲載されたのは「国防女子」であった。企画段階から女子より男子のほうが売れるやろうという計算通り男子のほうが出だしは良かったと聞き及んでいる。タイトルもこの前によく売れたといわれた「佐川男子」のこともあり、わしはわりと強く別のタイトルを押したが、タイトルだけは出版元の専権事項のため、「国防男子」と決まった。わしの考えたのが、やっぱ「佐川男子」の2匹目のどじょうと言われるのは嫌ややからと、「海の男」。しかし結果的には「国防男子」でよかったのであろう。「海の男」はよく聞くが、同時に出版されるのが「海の女」やと海女ちゃんと間違われてたやろう。